フィラー修正知識コラム

「切開は20%以内」は脂肪腫の基準:フィラーのしこりは約2mmの針穴一つで取り出します

劉達儒 医師 · 皮膚科専門医・フィラー修正を専門2026年4月22日
医学監修:劉達儒 医師 · 2026-09-24
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「切開は20%以内」は脂肪腫の基準:フィラーのしこりは約2mmの針穴一つで取り出します

混同されやすい二つの「微創」

「微創」という言葉は、脂肪腫の手術にもフィラーの摘出にも使われますが、指しているものは違います。脂肪腫は皮下にできた組織のかたまりで、取り出すには切開が必要です。ここでの微創は「腫瘍よりどれだけ小さく切れるか」という意味です。フィラーのしこりは、注入された素材とその周りの反応組織で、針穴から取り出せます。切開そのものが要りません。

ですから「切開は20%以内」「5cmのしこりが1cmの傷で」といった説明を見かけたら、まずどちらの手術の話なのかを確かめてください。


「20%」は脂肪腫手術の基準です

脂肪腫のように切開が必要な手術では、腫瘍に対して切開をできるだけ小さくすることが微創の目標です。大きな脂肪腫の例では、10cm以上の脂肪腫でも傷は約2cmで済みます。切開は腫瘍の大きさの約20%で、これが「切開は20%以内」の由来です。

従来の切除では、腫瘍を目で見てまるごと取り出すために、腫瘍の長さに近い切開を入れることが少なくありません。それを20%前後まで小さくできるのは、術前の評価、器具、手術手技を組み合わせているからです。


フィラーのしこり:切開なし、約2mmの針穴一つ

フィラーの摘出は別の話です。当院ではフィラーを取り出すときに切開をせず、約2mmの針穴一つから、リアルタイムの超音波ガイド下で素材を取り出します。

これができるのは、超音波で皮膚の外からしこりの位置・深さ・境界、周りの血管や神経まで見えるため、皮膚を切って確かめる必要がないからです。器具は針穴から入れ、超音波の画面で確認しながら処置します。範囲が非常に広い、あるいは何か所にも散らばっている場合は、2〜3か所の針穴で区域を分けたり、回数を分けたりすることがあります。どれも針穴で、切開ではありません。

超音波ガイドの詳細は超音波ガイド下ピンホール抽出術の解説、針穴摘出と従来の手術の比較は微創超音波抽出 vs 従来切開手術をご覧ください。

重要なポイント: 「傷はどのくらい?」と聞く前に、「切開する手術ですか、針穴での摘出ですか」と聞いてください。脂肪腫の20%は切開手術の基準で、フィラーのしこりは針穴です。この二つを比べることはできません。


針穴摘出後の回復

針穴は小さくても、行うのは摘出なので、腫れや内出血はどうしても出ます。当院は回復期間が短いとはうたっていません。腫れと内出血はおよそ2〜3週間で引き、針穴は約2週間でふさがり、最終的な仕上がりまではおよそ3か月かかります(個人差があります)。摘出直後の数週間に見える凹凸は、最終的な姿ではありません。術後は、腫れが引き、硬さが少しずつやわらいでいく過程をたどります。詳しくは診察の際にご説明します。


針穴の位置と傷跡

針穴は小さくても、位置は選びます。自然なしわ、生え際の近く、目立ちにくい場所に置けるときはそうします。傷跡の目立ちやすさは体質にも左右されるため、ケロイドや肥厚性瘢痕ができやすい方は、相談時に必ずお伝えください。


よくあるご質問

「切開は20%以内」はフィラーの摘出にも当てはまりますか?

当てはまりません。20%は脂肪腫のように切開が必要な手術の基準で、たとえば10cm以上の大きな脂肪腫でも傷は約2cmで済みます。当院ではフィラーを取り出すときに切開をせず、約2mmの針穴一つを使います。

こんなに小さな針穴で、きちんと取れますか?

多くの場合、大部分は取り出せますが、100%ではなく、個人差もあります。どれだけ取れるかは、素材の種類、線維化の程度、周りの組織とどれだけ癒着しているかで決まります。超音波で処置中に一か所ずつ確認できます。摘出技術の詳細はフィラーしこり摘出技術をご覧ください。

しこりがとても大きい、または広範囲の場合も針穴でできますか?

範囲が非常に広い、あるいは何か所にも散らばっている場合は、2〜3か所の針穴で区域を分けたり、回数を分けたりして、各区域の腫れが引いてから次を判断することがあります。実際の進め方は超音波の評価で決めます。

針穴は傷跡になりますか?

針穴は約2週間でふさがり、その後はたいていほとんど目立ちません。ただし傷跡は体質にも左右されるので、ケロイドができやすい方は事前に医師に伝えてください。


相談時に確認したいこと

  1. 「今回は針穴での摘出ですか、それとも切開しますか?」:どちらの手術かを確認する
  2. 「超音波ガイドを使いますか?」:位置の確かめ方を確認する
  3. 「針穴はどこに、いくつ開けますか?」:跡が残る位置を考える
  4. 「日常に戻れるまでと、最終的な仕上がりまで、どのくらいかかりますか?」:回復の見通しを知る
  5. 「一度で取りきれない場合、その後はどうしますか?」:分割の方針を知る

まとめ

「微創」は、どの手術の話なのかが分かってはじめて意味を持ちます。脂肪腫は切開が必要で、20%はその切開を小さく保つための基準です。フィラーのしこりは切開が要らず、当院では約2mmの針穴一つを使います。フィラーの摘出を考えていて傷や跡が気になる方は、写真とこれまでの注入記録をお持ちのうえでご相談ください。

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